2007/08/14

後藤靖香「ダイゲンキデス」




行ってきました、トーキョーワンダーサイト・本郷。

メディアショップスタッフでもある後藤靖香さんの展覧会「ダイゲンキデス」を観てきました!

会場に入った途端、変な緊張感というか、胃が痛くなる感覚を覚えました。
それは題材が戦争というものを扱っているということでもあるだろうし、単純に一枚、一枚の絵に存在感があるということでもある。
大きいキャンパスにマジックのみで描かれた彼女のヒーローである、戦時中に餓死した大伯父さん。
子どもが自分のヒーローを描いている感覚で描いているという。
身内を選んでいるだけに、何かあたたかさのようなものも感じたが、それと同時にとても切り離した感覚で冷静に描いているのでは、という気にもなった。
絵の存在感からか、こちらが見ているにも関わらず、見られているという感覚と、なぜだか罪悪感のようなもの感じた。
戦争という昔の現実と、今のわたしたちの現実とはかけ離れているように感じてしまっているが、現在も様々な国で起こっていることで、過去には日本でも現実に起こった出来事であり、20、30代前後の世代であれば意外と身近な人がその現実を生きていたことになる、もっと上の世代になるとより身近になるのだが、なんだか近すぎてしまう、20代辺りが戦争という出来事、知識もわりと身近に感じながら、それでいて一番客観的に語れてしまう世代なのではないかと思う。
そしてこの微妙な感覚を題材にできる、最後の世代でないかとさえ思う。
そこには、ヒーローとして描かれているんだけども、その時代を強く、たくましく、泣きながら、ただ必死に生きた彼女の大伯父さんの姿が描かれている。
後藤さんの感覚を通して見るヒーロー。
それを見ると何かを感じずにはいられない。
どんな人でも、必死に生きている、または生きてきた人たちというのは、誰かの心を揺さぶり、繋がっていき、どの時代になっても、何かを感じさせ続けていくものなのだと思った。
言葉ではうまく表現しきれないのでぜひ見て感じてもらいたいと思います。
8月26日(日)までトーキョーワンダーサイト・本郷にて会期中です。

トーキョーワンダーサイト・本郷

http://www.tokyo-ws.org/hongo/index.html

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