2007/10/30

AZUCHI あたまいっぱいの鹿



・・幻想空間 “AZUCHI” を彷徨う多頭の小鹿・・



孤高の画家

赤木仁が描く

可憐で怖い、現代の神話。



画家・金子國義に師事し、隠微な描写力で、
乾いたエロティシズムが充溢する世界を表現してきた赤木仁。

本書は彼が永年モチーフとして描き続けてきた多頭の小鹿たちにスポットを当てた絵物語と油彩画の2部構成となっています。

繊細な線画で描かれる小鹿と、独自の言葉で紡がれる物語は、読む者を不思議な空気で惑わせます。

一転、油彩で描かれる小鹿は、荒々しさとともに、現代にこそ相応しい“可愛らしさ”を発見させます。

渾沌とした世界にそれでもなお燐と立つあたまいっぱいの小鹿の姿は、可憐さと怖さを秘めた、新しい神話の誕生を予感させます。


濃密で甘美な森に囲まれた土地だけを

桃源郷と言うのだろうか。

私が囚われたのは、

ひしゃげた松が辛うじて張り付いたハゲ山に囲まれ、

汚染された川ぞいに打ち捨てられた

銅山の廃虚と沼。

あたまいっぱいの鹿はそこに居た。

(あとがきより)

価格2,100円(税込)

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